花田植の魅力
花田植の魅力
中国地方一帯では太鼓をたたき笛を鳴らして田植唄を歌いながら大勢で田植をする民俗行事が残されており、「はやし田」、「田ばやし」などと呼ばれ、その歴史は中世にさかのぼるといわれます。
田植作業を行いながら、そのまま稲作の平穏と豊穣を祈って「田の神」を祭る稲作儀礼であり、同時に苦しい田植え作業に従事する者の慰安や、当時の農村における数少ない娯楽としての要素を持つ一大行事でした。
土地の大地主の中には所有地の田植の植え終わりに、たくさんの人々を集めて、盛大にはやし田を行う者があり、当時から壬生のはやし田として近郷各地に知られる一大催事でした。この囃し田に参加する牛には豪華な花鞍を更に造花で飾り、太鼓や笛の音にあわせて、着飾った早乙女達が苗を植える。この様子があまりにも華やかであるところから「花田植」と呼ぶようになったと云われています。
「壬生の花田植」は日本の稲作文化を伝えるものとして高い評価を受け、2011年ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
北広島町に残る「はやし田」「花田植」は「壬生の花田植」「安芸のはやし田(新庄のはやし田)」「原東大花田植」があります。
北広島町の花田植・はやし田
ユネスコ無形文化遺産「壬生の花田植」
| 開催日時 | 毎年6月第1日曜日 11:00~ |
|---|---|
| 場所 | 広島県山県郡北広島町壬生 壬生の花田植特設会場 |
| お問い合わせ先 | 0826-72-6908(北広島町観光協会) |
| リンク | 北広島町 壬生の花田植 |
「壬生の花田植」は、西日本最大級の規模を誇ります。単なる田植えの再現ではなく、田の神様(サンバイ)を迎えてその年の豊作を祈願する神聖な儀礼であり、そのすべてが絵巻物のように壮麗です。
① 飾り牛(花牛)による代掻き
行事の幕開けは、豪華絢爛な花鞍(はなぐら)や金銀の装飾、造花などで美しく飾られた「飾り牛」による代掻き(しろかき)です。この日のために特別に訓練された牛たちが、順々に泥田に入り、厳かに土をならしていく姿は、大地に潜む生命力を呼び起こしているようです。昨年の秋の収穫の後、静かに冬を過した田の神さまが目覚めるのです。
② 早乙女と田植歌の響き
主役となるのは、菅笠(すげがさ)に濃紺の絣(かすり)の着物、赤い襷(たすき)といった伝統的な衣装に身を包んだ「早乙女(さおとめ)」たちです。彼女たちは田んぼに横一列に並び、「サンバイ」と呼ばれる音頭取の男性が歌う「親歌」に合わせ、「子歌」と呼ばれる田植歌を歌い返しながら、田植綱に沿って一斉に、そしてリズミカルに苗を植えていきます。この古風な歌の掛け合いが、田園絵巻へと誘います。
③ 躍動する囃子方
早乙女たちの後方には、大太鼓、小太鼓、笛、手打鉦(てうちがね)などが「囃子方(はやしかた)」として陣取ります。奏でられる賑やかな囃子は、田植えの単調な労苦を忘れさせると共に祝祭性を高めます。特に注目すべきは大太鼓の演奏で、演奏者たちは上体を反らせたり、バチを回転させたり、時には宙に投げ上げたりと、アクロバティックで非常に躍動的な動きを見せます。この「静」の田植えと「動」の囃子の対比が、壬生の花田植の大きな見どころとなっています。
④ 壬生周辺がまつり一色に
花田植特設会場だけでなく、壬生の町周辺に出店が立ち並びます。北広島町の特産品も食べることができます。道行と呼ばれる特設会場に向かう子ども田楽や花笠踊り、飾り牛の行列も華やかで見ものです。辺り一帯がお祭りムード一色となり、1日を通して楽しめます。
2025年度の「壬生の花田植」案内チラシ
国の重要無形民俗文化財「安芸のはやし田(新庄のはやし田)」
| 開催日時 | 毎年5月中旬 12:00~ |
|---|---|
| 場所 | 広島県山県郡北広島町大朝 大朝鳴滝渓谷入口 |
| お問い合わせ先 | 0826-72-6908(北広島町観光協会) |
大朝新庄地区に残る民俗芸能。田の土手に座って、飾り牛や五月女、 囃しを間近で観覧できます。神酒や朴葉むすびの振る舞いも行われます。

写真提供)道行き-原東 八田雅晴

「原東大花田植」
| 開催日時 | 毎年5月中旬 10:00~ |
|---|---|
| 場所 | 広島県山県郡北広島町志路原1 |
| お問い合わせ先 | 0826-72-6908(北広島町観光協会) |
ゆっくりしたテンポで見るものをのどかな気持ちにさせてくれる昔ながらの田囃子が見どころ。早乙女の歌にもご注目を。

写真提供)伝統の大花田植-鳴滝 原恒夫

- 監修:花田植保存会
- 参照:北広島町観光協会 北広島町観光情報サイト「ぐるっと、きたひろしま」
- 参照:北広島町観光協会 観光ドライブガイド「きたひろDRIVE」





